出産祝いのお店を辞めたのはいつのことだっけ。やりがいのあるいい仕事だったとは思う。赤ちゃんが生まれるっていうのは幸せなことで、大抵の人はみんなうれしそうに注文するし、メッセージカードに書かれたメッセージなんて本当に愛にあふれていて、こちらまで心があたたかくなる。
一方で、最近は出産祝いのお店が乱立している。かつては出産祝いを受け取る側だった人が「私ならもっと良い出産祝いを提案できる」と思って小さく立ち上げているお店がほとんどだ。
今のネットショップの良いところは本当に小さな予算からお店を持てるということだ。
でもそのせいで昔からある出産祝いのお店は少なからず体力を削がれている。つまり、小さく立ち上げた薄利のお店に顧客を奪われるので、仕方なく利益を削って、サービスを削って、結果としてあまり儲からないか、ほとんど儲からない体質になりつつある。
それは世の常かもしれないし、逆向きに見ると新しいお店がどんどん生まれて新陳代謝が進んでいるとも言えるのだろうけど、なんていうのか、せっかく楽しくてうれしくて幸せなお祝いにかかわる人の心が荒んでいくような今のマーケットは個人的な感情としてあまり美しくない。
というか、どんどん相場が安くなっていくお祝いって一体何なんだろう。過当競争の結果、売れる商材の値段はどんどん安くなっている。
お祝いなのに市場の価格のほうが優先されているのってなんだか変だ。
0コメント